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2007年12月16日 (日)

秋のソナタ

イングマール・ベルイマン監督の「秋のソナタ」をテレビで観た。とても良かった。この映画には当時63歳だったイングリッド・バーグマンが出演している。彼女は癌のため67歳で亡くなっており、最晩年の作品になる。

夫や娘を捨て、家を飛び出してしまうピアニストの母シャロッテ(イングリッド・バーグマン)。やがて身勝手な母も、連れ添った愛人に先立たれ孤独の身になった。そんな年老いた母を自分の家庭に招待する娘エーヴァ(リヴ・ウルマン)。ところが傷心の母を娘は積年の恨みを晴らすが如く糾弾する。

この映画は半ばバーグマンの自叙伝の如き体裁を呈している。バーグマン自身も、私生活では家庭を捨て、イタリア人の監督、ロベルト・ロッセリーニのもとへ走った。不倫だった。そのため彼女は永らくハリウッドから追放される。

「カサブランカ」や「ジャンヌ・ダーク」といった若い頃の姿とはほど遠い、疲れきった初老の姿をまとい、時折タバコをくゆらせながら、娘の辛辣な反撃に狼狽する母親を演じるバーグマン。母国語であるスウェーデン語を話すバーグマンの姿はとてもリアルであり、彼女の明らかに老いた表情は、彼女の実生活を覗き見しているようであり、不思議な緊張感を感じた。

結局母と娘は和解することなく、再び娘のもとから逃げ去ってしまう母シャロッテ。「善良な母」を演じるチャンスを最後まで取り逃がしてしまう母。自分は家庭というものが最も相応しくないと納得しているかのような母。孤高な一女優として、毅然と自分のスタイルを貫き通そうとしているバーグマン自身の生の姿と二重写しになってしまうのは、極めて自然とも言える。

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