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2010年3月

2010年3月 7日 (日)

地下街の雨

BOOKOFFの、¥105均一の棚からひとつかみの本、それは、宮部みゆきの「地下街の雨」。1994年に出版されたこの短編集は、それぞれの話がとてもチャーミングで、この作家の後の作品への序章的な雰囲気を感じさせる。七番目のおはなし、「さよなら、キリハラさん」が印象に残った。

大杉家は、両親と、弟と、耳の遠い70歳の祖母、そして私の五人家族。祖母は、自分が家族のお荷物的存在であると考え始め、辛い日々を送っていた。そこへある日、父と同じ会社の人間が、「私は元老院直属の音波管理委員会から派遣されたものだ」と称して、「高性能の耳栓」の実験のために、大杉家に上がり込む。この「キリハラ」と名乗る男も、組織に疎外され、人生に疲れ果てていたのだ。疎外された者同士、おばあちゃんと男は、お互いを励まし、支え合うようになる。

ある日、おばあちゃんが失踪。しばらくして、自宅におばあちゃんを保護した交番から電話が入る。おばあちゃんは、自殺を考えていたのだが、キリハラが、それを思いとどまらさせたことが分かった。おばあちゃんは、家族が大切にしていたイヤリングや根つけ、キーホルダー、ボタンを、家族への大切な思い出として、こっそり持ち出していた。

社会の片隅で苦悩する人々の悲哀。なんか、こういうのって切ないなぁ。

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