2017年7月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

« 田辺聖子の今昔物語 | トップページ | ノーマン・ロックウェル »

2010年3月 7日 (日)

地下街の雨

BOOKOFFの、¥105均一の棚からひとつかみの本、それは、宮部みゆきの「地下街の雨」。1994年に出版されたこの短編集は、それぞれの話がとてもチャーミングで、この作家の後の作品への序章的な雰囲気を感じさせる。七番目のおはなし、「さよなら、キリハラさん」が印象に残った。

大杉家は、両親と、弟と、耳の遠い70歳の祖母、そして私の五人家族。祖母は、自分が家族のお荷物的存在であると考え始め、辛い日々を送っていた。そこへある日、父と同じ会社の人間が、「私は元老院直属の音波管理委員会から派遣されたものだ」と称して、「高性能の耳栓」の実験のために、大杉家に上がり込む。この「キリハラ」と名乗る男も、組織に疎外され、人生に疲れ果てていたのだ。疎外された者同士、おばあちゃんと男は、お互いを励まし、支え合うようになる。

ある日、おばあちゃんが失踪。しばらくして、自宅におばあちゃんを保護した交番から電話が入る。おばあちゃんは、自殺を考えていたのだが、キリハラが、それを思いとどまらさせたことが分かった。おばあちゃんは、家族が大切にしていたイヤリングや根つけ、キーホルダー、ボタンを、家族への大切な思い出として、こっそり持ち出していた。

社会の片隅で苦悩する人々の悲哀。なんか、こういうのって切ないなぁ。

« 田辺聖子の今昔物語 | トップページ | ノーマン・ロックウェル »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/21913/47730323

この記事へのトラックバック一覧です: 地下街の雨:

« 田辺聖子の今昔物語 | トップページ | ノーマン・ロックウェル »

無料ブログはココログ