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October 2010

10/12/2010

調和の霊感

有名なヴィヴァルディの「調和の霊感」だが、奇をてらうような曲の展開があるわけでもなく、オーソドックスに流れるさまは、まさにクラシックの王道中の王道だろう。

何度聴いても飽きない。18世紀に活躍した人の作品が今日も脈々と受け継がれて残っているのだから、無理からぬことだ。体裁にこだわらず、ヒーリングミュージックとして気軽に聴いて欲しい。イタリア合奏団のCDが素晴らしい。


10/06/2010

田中一村は幸福だった。

「田中一村」展に足を運んだ。多少無理をしてでも連休前の平日に鑑賞したかったのだ。昔、東京の国立西洋美術館にアングルの「泉」を観に行ったとき、休日であったため、大変混雑して、絵を鑑賞するというより、絵を見に行ったという感覚であった。とても後悔した。

私はゆったりとした雰囲気のなかで、一村の作品に接することができた。奄美時代の作品をつぶさに眺めながら、彼は中央画壇で十分な評価を得ることができたことが幸いしたと考えた。彼の個性が花開いた。奄美の風景は無論本土とは違う。かといって同じ南西諸島の沖縄の、例えば紅型や琉球音階に代表されるような無垢で楽天的な色彩とも違う。少し陰のある、丁度大島紬に例えられるような、ややくすんだ色合いなのだ。彼はそういった陰影のある奄美の色彩を意図的に選んだに違いない。

「ビロウとアカショウビン」「ガジュマルにトラフズク」「アダンの木」などの有名な作品が一堂に会している。圧倒的な存在感。言葉がない。無上の幸福とはこのことを指すのだ。彼はとても幸せに人生を全うした。意味のある人生を送ったのだ。それは残された彼の手記から読み取れる。

できることなら、平日に美術館を訪れ、ゆっくりと鑑賞して欲しい。少し距離をおいて、それから顔を近づけて作品のタッチを丹念に眺めて欲しい。本物の色を確認して欲しい。絵とは本物を観ることに意味がある。感じた色彩を脳裏に焼き付けて欲しい。そして一村の崇高な生き様を讃えて欲しい。

Tanakaisson

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