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2012年1月29日 (日)

小粋な「贈り物」

地元の情報誌やブログ(主に女性による)などを読むと、この店が登場する頻度が高いことに気がついた。名前はルカドー(Le Cadeau)で、パンが好きな私としては、居ても立ってもいられなくなった。写真には見事なパンが並んでいる。どれほどのものかと、好奇心を携えて、店がある下竜尾町へ向かった。

小ぎれいな店構えは、「街角のパン屋」としての近しい雰囲気を漂わせている。その「匂い」は店内に入っても変わらず、決して華美ではない、趣味の良い調度品は、訪れる者にほどよい安心感を与える。ただ午前中の比較的早い時間であったため、客は私一人で、内部をゆっくり凝視するのをためらった。

「ランチボックスありますか?」と尋ねると、「少しお待ちください」と返事があった。「デジュネ」と呼ばれる商品で、フランス語で「昼食」を指す。ちなみに「プチ」をつけ、「プチ・デジュネ/petit déjeuner」にすると「朝食」の意味になる。代金を支払い、足早に店を後にした。

車中でランチボックスの入った袋を開けた。ため息が漏れた。膝の上に載せた10センチ四方の紙製のボックスに、透明なフィルムの包装が施されていた。全粒粉入りであろうか、野菜がたっぷりと、そしてベーコンをサンドしたパン。その横にはキッシュとアーモンドスライスのタルトが並ぶ。封緘紙にはお洒落な"Le Cadeau"のロゴ。

キッシュが絶品だ。卵の旨味とまろやかさに、温かいコーヒーの苦みが精妙なバランスを保っている。「これって、お重やわっぱめしのイメージだ」と気づいた。10センチ四方の器のなかに、日本的美意識が凝縮されているかのよう。小粋な贈り物。大切な女性の領分を侵してしまったのかも。

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