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2014年4月 6日 (日)

ロードムービー

日本語には和製英語というものがある。ややこしいのは和製英語であるにもかかわらず、それが日常で定着してしまい、私も含めて、日本人が普通に使っている点だ。野球用語の「デッドボール」とか「ランニングホームラン」、あるいは「フリーダイヤル」とか「バックミラー」の類いだ。それは簡単な単語を並べた、ベタな使い方として共通している。私はOld Boy(=OB)は完全な和製英語だと思っていた。同じように、ロードムービー(Road Movie)も和製英語だと思っていた。

ロードムービー(英語でもRoad Movie)とは、映画の主人公が旅をすること、そして道中で出会う人々との交流が、彼のその後の人生に大きな影響を与える、という点が共通しているだろう。ウィキペディアを眺めると、その範疇にはフェリーニの「道」「イージーライダー」「真夜中のカウボーイ」「スケアクロウ」「パリ、テキサス」「レインマン」などがある。邦画だと山田洋次監督の「寅さんシリーズ」「家族」「幸福の黄色いハンカチ」等がある。鹿児島にかかわり合いのある作品だと同じく山田監督の「十五才 学校IV」、そして是枝裕和監督の「奇跡」などもロードムービーに属する。

私はクリント・イーストウッドが大好きだ。中学生になると、父兄が同伴しなくても映画館に行くことが出来るようになり、当時流行のブルース・リーのドラゴンシリーズを観るために天文館の映画館に足を運んだ。二本立ての映画のもう一方の作品がC.イーストウッドの「ダーティ・ハリー2/(1973)」だった。

彼のファンになると、必然的に彼の出演作品に興味を惹かれる。「ダーティ・ハリー2」に続いて「サンダーボルト(原題:Thunderbolt&Lightfoot)」が翌年(1974)封ぎられた。この映画は「ダーティ・ハリー2」で脚本を担当したマイケル・チミノの初監督作品であり、70年代のアメリカ映画の特徴が色濃く表現されている。画面一杯に疾走する馬鹿でかいアメ車、コーヒーショップの情景と、カウンター越しに客のオーダーを取るウエイトレスのかわい娘ちゃん、ド派手な拳銃の打ち合いなど、いずれもこの時代の「らしさ」を演出する。

「サンダーボルト」もロードムービーの「亜種」あるいは「派生系」として捉えても構わないだろう。映画の発端から幕切れまでずっと車が絡んでおり、この映画の個性ともなっているからだ。主演のC.イーストウッド(サンダーボルト)の他に、「キングコング」「トロン」「トロンレガシー」「タッカー」等に出演したジェフ・ブリッジス(ライトフット)、「シャレード」「エアポートシリーズ」「アイガーサンクション」等、そして邦画の「人間の証明」「復活の日」に出演したジョージ・ケネディ(レッド)が共演している。G・ケネディのレッドの役回りはオードリー・ヘップバーン主演のシャレードの「スコビー」のそれとほとんど同じなのが妙に可笑しい。

かつては稀代の銀行強盗として名を馳せ、現在は世を忍んで牧師として露命を繋いでいるサンダーボルトだったが、強盗仲間のレッドに金を持ち逃げしたと勘違いされ、命を狙われる。レッドに追われる途中、偶然にライトフットと出会い、歳の差はあるものの、馬が合い、行動を共にし、かつて襲った銀行の現金強奪に再び挑むことになった。以上が凡その筋書きだが、この映画の面白いのは、70年代の全くステレオタイプなアメリカ映画の特色が死ぬほど恋しいところにある。

銀行強盗成功の暁に高価なキャデラックを手に入れ、颯爽とハイウェイをかっ飛ばす情景を頭に描く映画の主人公の様なんて、恐らく今の若いアメリカ人なら失笑するに違いない。そんな70年代の価値観が今となっては懐かしい。

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