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2016年9月14日 (水)

血を吐きながら続ける悲しいマラソン

ウルトラセブン第26話「超兵器R1号」で、モロボシ・ダンが言い放ったこの「血を吐きながら続ける悲しいマラソン」という台詞の脚本は若槻文三氏であり、当時の核拡散競争を皮肉ったものとされている。地球防衛軍が開発した水爆8000個分の破壊力を持つ「R1号」は、宇宙人への対抗策として配備されることになったが、それは際限のない軍拡競争に繋がると、ダンがタイトルのように警告したものだ。

国際政治を理解する上で、パワー・ポリティクス(Power politics)という観念を用いることが多い。つまり「主権国家同士が軍事・経済・政治的手段を用いて互いに牽制しあうことで自らの利益を保持しようとする国際関係の状態を指す。諸国家は世界の資源を巡って争い、他国や国際社会全体の利益よりも自国の利益を優先する。その手段は、核兵器の開発・保有、先制攻撃、恫喝外交、国境地帯への軍隊の配備、関税障壁や経済制裁など多岐にわたる。」ことを意味する。下線部はパワー・ポリティクス(Wikipedia)からの引用。

中国の南沙諸島、西沙諸島、尖閣諸島への軍事的プレゼンスの展開、北朝鮮の核保有問題と、それに呼応したアメリカのTHAADミサイル(終末高高度防衛ミサイル)の韓国への配備等々、最近、日本周辺においても危険な駆け引きが繰り返されている。更にオバマ大統領の「核の先制不使用宣言」の断念もその流れに沿っていると言える。

ウルトラセブンの物語では「R1号」の開発は凍結されることになるが、現実の世界では、己が他者より秀でているという、大国の自己顕示欲が蔓延る。その中で人間は微妙なバランスを保ちながら、核による全面戦争を回避し続けている。そもそも他者がいなければ、自己顕示欲を表現できないという結論だ。

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