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2017年1月27日 (金)

ジャイキリ

「ジャイキリ」とはGIANT KILLINGから来ている愛称で、スポーツなどの「番狂わせ」のことだが、言葉のニュアンスから「大物食い」と記した方が良いかも。昨年の暮れにNHK-BSの「ぼくらはマンガで強くなった」という番組で紹介されたマンガ「GIANT KILLING」に私は感動を覚えた。

プロサッカーリーグの1部に所属するETU(EAST TOKYO UNITED)は、日本代表の達海猛を擁する人気チームだったが、達海が他チームへ移籍すると、チーム力が低下し2部へ降格してしまった。その後1部リーグへ再昇格を果たすも、かつての勢いはなく、イギリスでアマチュアクラブをを育て上げた達海の実績を買い、経営陣は再び彼を監督としてETUへ呼び戻すことを決めた。

ETUを捨て海外へ渡った達海に対しては、ベテランの村越や古参のサポーターからは白い目で見られ、また奇抜な彼の指導方法にチーム内では反発が起こった。しかし若手の椿や夏木等を抜擢した戦術は次第に功を奏するようになり、また村越も彼の考えを少しずつ理解するようになる。

このジャイキリが従来のスポ根漫画と一線を画しているのは、プロサッカーリーグの舞台裏を解り易く描写している点だろう。クラブ運営に奮闘するフロント、選手層の補強に取り組むスカウト、チームとファンとの架け橋となり、情報発信に努める広報など、いずれもクラブ経営に欠かせないセクションの様子が描かれている。

監督と選手が丁々発止の渡り合いを重ねる様は面白い。達海がETUを去った後、チームを支えてきた自負があったキャプテンの村越は、監督として戻ってきた達海のやり方が気に食わない。監督が自分をキャプテンから外したことに怒りを表すが、そんな(チームを支えた)重圧はお前(村越)が背負うものではない。俺の責任だと達海は村越に外した理由を説明する。また「お前は良い監督に恵まれなかっただけだ。」と諭す。

ETUの舞台は東京の下町だが、ホームグラウンドの設定は柏レイソルのホーム、日立柏サッカー場を参考にしている。そのためか、ジャイキリと柏レイソルのコラボイベントにETUの架空のマスコットである「パッカくん」が登場したり、ETUのカレーパーティが再現されたりと、柏ファン層の底上げに一役買っている。

実際、柏レイソルは2009年にJ2降格が決まり、運営収入の激減とファン離れの危機に瀕したが、同様のケースで、ジャイキリの劇中で、達海がカレーパーティを提案し、巧くチーム力のアップに繋げた事に倣い、ファンのために本当にカレーパーティを催し、それがチーム力のアップに貢献したのだろうか?、翌年にJ2優勝を果たし、2011年からは再びJ1に返り咲き、その年に今度はJ1初優勝を達成した。

現在、柏レイソルは鹿児島の指宿でキャンプの真っ最中だ。クラブ運営の難しさは想像を絶するものだろう。ただ間違いなく言えることは、経営サイドのみの努力で報われるのもでもなく、ファンの支えがあることで相乗効果が生まれ、チームの方向性が見えてくるはずだ。マンガの方向性は的を射たものかも。鹿児島ユナイテッドFCがJ2昇格、J1昇格を果たすには、マネジメントだけではなく、チームを支えるファン、すなわち鹿児島県民にもそれなりの覚悟が必要となる。個々の人間の生半可な功名心は役に立たない。

ところで、番組の声の配役は達海猛には関智一を、村越茂幸には置鮎龍太郎と言う風に、アニメと同じ声優さんを起用していたが、そろそろ「GIANT KILLING」の続編を放送してもらえないだろうか。番組がそこまでこだわるところを見ると、続編開始の伏線と見たが、NHKさん、どうなんですか?

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