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06/23/2018

さくら

アニメ「坂道のアポロン」の第九話で、桂木淳一が独り夜行列車で東京に向けて佐世保を離れるシーンがある。深堀百合香がホームに見送りに来ていたが、淳一は高校生である彼女と別れて去るつもりだった。しかし愛おしい彼女を断ち切ることかなわず、そのまま駆け落ちすることになる。そのとき映像には寝台特急「さくら」の姿があった。

この作品にノスタルジックな想いを募らせる人は多い筈。"Moanin","My Favorite Things","My Funny Valentine"など、ジャズのスタンダードが挿入され、アメリカの雰囲気漂う佐世保の街の匂いを演出する。「エンプラ反対」の騒ぎは辛うじて幼かった私の記憶に留まっていた。方言の持つ温かみが心に沁みた。

乗り物ニュースに「なぜ消えた? 夜行列車が衰退した理由 毎日運転は2本だけ」という記事が載っていた。利便性や価格競争で夜行列車の運行は衰退し、現在はサンライズ出雲、サンライズ瀬戸のみが営業を継続している。かつて鹿児島にも「はやぶさ」や「なは」などの寝台特急が鉄路を行き交っていた。「坂道のアポロン」の作者の小玉ユキさんは佐世保の出身だ。「さくら」の名前はそのまま故郷の情景に繋がるのだろう。

JR九州の「ななつ星」の成功を見つめながら、急がない旅を列車で演出できないものか思い巡らせてみた。けれど郷愁のみで鉄道経営は成り立たない。結局、利便性や経済性を求めたのは我々自身なのだから。

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