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2017年4月25日 (火)

ピエール・ブーレーズ

Pierre Boulezの姓は「ブーレーズ」と表記されることが多いが、フランス語の綴りからして、「ブレ」に近いと思っていた。もっとも「ブレズ」と発音する人もいるらしく、地域差があるようだ。マエストロは昨年他界された。90歳の大往生だった。

指揮者は概して長寿が多い。カール・ベームは86歳まで、カラヤンも81歳まで年を重ねた。私の好きなマゼールは84歳、スイトナーは87歳、、ジュリーニは91歳、ザンデルリンクは98歳まで生きた。もっとも指揮者として晩年まで第一線で活躍できたがどうかは別の話だ。

ブーレーズは晩年まで良い仕事ができたのではなかろうか。彼の演奏を生で聴いたわけではなく、CDからの印象にすぎないのだが、彼のストラヴィンスキー、バルトーク、ドビュッシーなどの演奏は素晴らしく、度々聴き直すのだが、飽きる事はない。それらは比較的新しい録音なので爽快感が残る。デジタル録音はヒスノイズが無く、静寂の中に微量な音を聴き取る事が可能だ。

彼のマーラーの作品全集を買い求めた。これらも新しい録音に入るだろう。マーラーは、特に交響曲の場合、長大なものが多く、従って人によって作品の好みが分かれ易い。私も6番は20年以上聴かずにいたのだが、目録に並んでいたので試してみた。

これを改めて好きになる事はなかったのだが、録音が良いため、細かなディテールが明瞭で、それなりに納得がいった。「大地の歌」は素晴らしかった。5番や9番も悪くない。マーラーの演奏は指揮者によって自己陶酔的なアプローチのものがかなりあるが、ブーレーズのパフォーマンスは明快で外連味がなく、それは他のバルトークなどの作品と共通しており、説得力に満ちている。

全集としての価格もお手頃で、総じて素晴らしいものなので、お勧めしたい。

2017年2月 5日 (日)

清潔な盗賊

FMをあまり聴かなくなったせいだろうか、最新のヒットチャートに疎い日々が続いたのだが、"Spotify"の登場で、この辺りにも変化があった。ただ学生時代のように、熱心に「ベストヒットUSA」等のチャートに耳を傾けるというのではなく、例えば"Top Hits Japan"などのプレイリストを聞き流しつづけるのだ。

曲についての予備知識は全くなくとも、やはり耳に残るものはある。最初のうちは「またあの曲だ」とそれ以上気に留めなかったのだが、何度も聴いているうち、ネットで作品を確認したくなる。それが"Clean Bandit"の"Rockabye"だった。

ジャマイカ人の"Sean Paul"とイギリス人の"Anne-Marie"を起用し、昨年の10月にリリースされた。これはシングルマザーの日常にイギリス伝統の”Nursery rhyme”と呼ばれる童謡を組み合わせた形をとっている。アメリカでは”Mother Goose Rhymes”が相当する。

Clean Banditは、日本人と彼の築地市場をPVに取り込んだ"Rather Be"がヒットし、日本でも有名になったが、今回のRockabyeは決定的だ。昨年のUKシングルチャートでヒットを続け、"Ed Sheeran"の "Shape of You"に抜かれるまで9週連続トップを維持し続けたそうだ。

その後もヨーロッパを中心に各国のチャートトップを記録し、昨年のクリスマスソングNO.1になった。そして余波が遥か鹿児島の、ヒットチャートに無関心だった私の耳にも届いたというわけだ。ヒットする曲の特長として、分かり易いメロディと特徴的な歌詞の繰り返しがあると思うが、まさにそこが私の琴線に触れたのだ。恐るべし、Spotify。

2016年12月22日 (木)

イギリス組曲

バッハの有名な「イギリス組曲」は、トレヴァー・ピノックのチェンバロによるものを聴いていたのだが、私には余りフィットしなかった。演奏者のスタイルが気に入らないのか、そもそもチェンバロによる演奏が嫌なのか分からないが、それほど好きになれなかった。

これは同じ作曲家の「フランス組曲」にも同じ事が言え、どちらかと言えば、シフ・アンドラーシュ(彼はハンガリー人なので姓が先)のピアノによる演奏の方が落ちつくし、実際、就寝前に聴き入ると、そのまま寝てしまう位耳に優しい。

ところが"Spotify"で聴いたギターデュオによる演奏が、耳に飛び込んできた瞬間、鳥肌が立つほど感動した。同じ作品とは思えないくらい、柔らかく、しっとりして、時間を置かずに"amazon.co.jp"のサイトを検索していた。"Montenegrin Guitar Duo"の演奏で、アマゾンのサイトに載っていた。尚、彼らの公式サイトによれば、Vol.2が来年発売されるそうなので、そちらも楽しみだ。

Montenegrin Guitar Duo


CD版もありますので、サイトで確認してください。

2016年11月24日 (木)

クリスマスキャロル

O Come All Ye Faithful

O come all ye faithful joyful and triumphant
Oh come ye O come ye to Bethlehem
Come and behold him born the King of angels
O come let us adore him Christ the Lord

「神の御子は今宵しも」と訳されるこの歌は、ジョン・フランシス・ウェードの作曲とされている。私は"Ella Fitzgerald"の声質が大好きで、"Spotify"に収録されている彼女のクリスマスキャロル集に聴き入ってしまった。

クリスマスキャロルが流れる季節がやってきた。音楽を聴く媒体の変化は著しいが、音楽を聴かない日は一日としてない。この普遍的な喜びは大切にしたいものだ。

2016年11月20日 (日)

バラバラ

Spotifyの"Japan loves UK ROCK"というプレイリストを聴いてた。"Led Zeppelin"や"The Who"の曲に混ざって、"GO!GO!7188"の「バラバラ」が流れてきた。原曲は1965年に"My Baby Baby Balla Balla"として登場したナンバーで、日本でも当時人気のグループサウンズがカバーしてたような思い出がある。

思わずGO!GO!7188のデビューCD「蛇足歩行」を棚から取り出した。「太陽」「彼女と私」「こいのうた」「西部」「ロック」等々、ご機嫌なロックに惚れ直した。女性2人のデビュー当時の様子を地元テレビが追いかけていたのが1999年だった。

バンドは2012年に解散し、現在は中島優美が「チリヌルヲワカ」のボーカル、ギターの一員として活動を続けている。GO!GO!7188以来の熱いファンの支持のもと、「7188」とはやや色彩を変えつつも、じっくり聴かせるナンバーが並んでいる。先ずはYouTube等で鑑賞願いたい。

2016年11月 7日 (月)

ジプシー・スウィング

ジプシー音楽とジャズを結びつけたジプシー・スウィングを発展させたのはジャンゴ・ラインハルト(Django Reinhardt)といわれ、その後の演奏家に多大な影響を与えた。ゴンチチも「ゴンチチ・レコメンズ・ジャンゴ」というCDを出している。

私は未熟な知識しか持っていなかったが、"Spotify"に専門のプレイリストがあって、ジプシー・スウィングの個性的な魅力に取り憑かれてしまった。アコースティックな音色が心地いい。Spotifyには4000万曲以上の音楽がアップされているらしいので、細かなジャンル分けが可能となった。

無料会員のままでも"MY MUSIC"に好きな曲をファイルでき、繰り返し聴き返せる。このサービスのおかげで、素晴らしい日本のミュージシャンにもめぐりあえた。良い音楽はとても心地よい。ここを足がかりに、お気に入りのアーティストを深く探求するもよし、様々なジャンルを手広くさらうもよし。

Spotify.com

2014年4月25日 (金)

スティッキー・フィンガーズ

ね、リュウなんとか言ってよ、あなたこれローリングストーンズの一番新しいやつなのよ、まだ聞いたことないんでしょ?スティッキーフィンガーズっていうんだから。」下線部は村上龍/限りなく透明に近いブルー/講談社文庫35頁からの引用。

本作の優れている点は、なによりも「僕」が物事を常に客観視する中で、感情移入を排したフラットな表現でセックスや暴力を描ききった部分であると多くの作家・評論家が本作の解説で評価することが多い。衝撃的な内容を題材として捉えていながら、その文章自体は異常なまでに平易であり「清潔」である。下線部はWikipedia「限りなく透明に近いブルー」からの引用。

この村上龍の小説が世の中に登場したとき、私は思春期真っ盛りだった。そんな少年に「感情移入を排した」なんて高尚な評が理解できる余地は残っていなかった。作品を興味本位で読む以外に何があったというのだろう。しかしそこからローリング・ストーンズへ食指が動くことはなかった。思慮の浅い偏見の渦中に居たようだ。

30を過ぎ、本格的にジャズを聴くようになった。ジャズは全く不案内だったが、一つの妙案が頭に浮かんだ。アメリカのグラミー賞に輝いた名盤から先ず聴くことにした。安直な方法だったが、見事に功を奏した。マッコイ・タイナーやジョー・ヘンダーソン、パット・メセニー、ウイントン・マルサリス等を贔屓にした。特にマッコイ・タイナーの"The Turning Point"(1992) は私のようなクラシックファンをも魅了した。

ある日、FMで耳にしたストーンズの「ビッチ」に衝撃を受けた。無論以前にも耳にしたことはあったが、全く別物のように思えた。ジャズを聴くことによって、私の許容範囲が広がったのだろう。録音にはミック・ジャガー、キース・リチャーズ、チャーリー・ワッツ、ビル・ワイマン、そして急逝したブライアン・ジョーンズの後任としてミック・テイラーが参加。

更にこのメンバーにボビー・キーズ(sax)、ジム・プライス( trumpet)、ジミー・ミラー(percussion)が加わることによって、多様性のある豊かな音色が奏でられた。こうなるとロックとかソウルとかジャズとか、あるいはクラシックとかの区分けが煩わしくなってしまう。少なくとも私の感覚では。

この「ビッチ」は今年2〜3月に8年ぶりに彼等が来日した際に、ファンの要望に応えてコンサートで披露された。相変わらず人気のある曲だ。ファンの耳は肥えているな、と率直に私は感じた。布袋寅泰がゲストとして招かれるなど話題は多かったが、ひとつ気になることがある。来日公演後にミック・ジャガーの恋人のローレン・スコットさんが自殺を図ったことだ。

5年前にこのブログで、二人の親密さを取り上げたのだが、ミックはブラジル人のルチアーナさんとの間にできた息子のルーカス君を連れて、長身のスコットさんと仲睦まじくデートしているのが目撃された。スコットさんを失ったミックの落胆ぶりはかなり酷いようだ。彼の公式サイトには、「恋人であり、ベストフレンドである彼女が、かくも悲劇的な結末を選んだのか、未だに理解できません。」とのコメントを寄せている。彼を温かく見守ることにしよう。

MICKJAGGER.COM


2013年8月28日 (水)

怪僧ラスプーチン

いつものようにインターネットラジオを聴いていた。

おやっ、この曲知ってるぞ〜!

あっ、あれだ、あれっ、ボニーMの「怪僧ラスプーチン」

1970年代後半、世は空前のディスコブーム。映画「サタデイ・ナイト・フィーバー」が流行り、「アラベスク」「ジンギスカン」「ボニーM」等々の西ドイツ系が大きなムーブメントになり、"ABBA"や"BEEGEES"そして"Village People"の勢力も凄かった。

そしてこの後、代々木公園では「竹の子族」が出現し、そのまま日本はバブル期へと突入する。オジサン達のまさに青春時代。「ラスプーチン」って誰のことなのか、気にも留めなかったなぁ。

グリゴリー・ラスプーチン(Wikipedia)


2013年8月 6日 (火)

小さな木の実

8月7日は立秋だ。二十四節気ではこの日より立冬の前日までを秋と呼ぶらしい。「小さな木の実」は1971年にNHKの「みんなのうた」で発表された。ノスタルジックな歌詞とメロディが評判となり、多くの人々に愛され、また学校の教科書にも登場する名曲となった。「今年また秋の丘を少年はひとりかけてゆく」という詩が感傷的な秋を連想させる。
小さな木の実(Wikipedia)

原曲はフランスのジョルジュ・ビゼー(Georges Bizet)によるものだ。スコットランドの作家、ウォルター・スコット(Sir Walter Scott)の小説「美しいパースの娘/The Fair Maid of Perth」をベースに、ビゼーがオペラ「美しいパースの娘/La jolie fille de Perth」を作曲、1867年にパリで初演された。劇中、鍛冶職人のアンリが愛するカトリーヌを偲んで歌うのが「小さな木の実」の原曲「セレナード」だ。

オペラ「カルメン」が余りにも有名なビゼーであるが、「美しいパースの娘」は「カルメン」ほどには知られてはいないかも。事実、作品の上演回数もレコーディング回数も多くない。しかしながらビゼーらしい美しいメロディがちりばめられ、後年発表された「アルルの女」第2組曲の有名な「メヌエット」はこのオペラから転用された。

原曲の歌詞と言えば、

A la voix
その声は
D'un amant fidèle
誠実な恋人からのもの。
Ah, réponds, ma belle,
ああ、応えておくれ、愛しい君よ、
Ainsi qu'autrefois !
昔のように!
A ma voix
僕の声に、
Daigne encor' paraître,
また姿を見せておくれ、
Ouvre ta fenêtre
窓を開けて、
Ainsi qu'autrefois.
昔のように!
Ah, parais,
あぁ、お姿を、
Tu sais si j'admire
お分かりでしょ、僕の驚きを、
Ton charmant sourire,
君の愛らしい笑みや、
Tes divins attraits !
君の高貴な魅力に対する!
De tes yeux
君の瞳で、
Qu'un rayon de flamme
それは炎の輝きにも似た、
Pénètre mon âme
僕の魂を貫いておくれ。
Et m'ouvre les cieux.
そして天へと導いておくれ。

という風で、「小さな木の実」の方がよりノスタルジックな雰囲気が強調されているのが分る。

2013年6月24日 (月)

さくらんぼの実る頃

ある時代、欧州は、ドイツ三十年戦争(1618〜1648)、清教徒革命(1642〜1649)、英蘭戦争(1652〜1674)、大北方戦争(1700〜1721)、スペイン継承戦争(1701〜1713)、オーストリア継承戦争(1740〜1748)、七年戦争(1756〜1763)、フランス革命(1789〜1799)、ナポレオンのモスクワ遠征(1812)、ワーテルローの戦い(1815)、ギリシア独立戦争(1821〜1829)、フランス7月革命(1830)、フランス2月革命(1848)、独・墺3月革命(1848)、クリミア戦争(1853〜1856)、イタリア統一戦争(1859)、ポーランド一月蜂起(1863)、普墺戦争(1866)、普仏戦争(1870〜1871)、パリ・コミューン蜂起(1871)等々、幾多の戦争や革命によって国が焦土と化した。ある時代とは270年近くも続いた徳川泰平の世だ。日本は平和であったと言える、一般論として。

フランスは1789年に始まる革命以降も共和政から帝政、そして再び王政へと入れ替わり、現在は第五共和政の政体をとっている。第三共和政は普仏戦争の最中の1870年に成立した。アドルフ・ティエールが第三共和政の初代大統領に選出され、ドイツと講話を図り、アルザス・ロレーヌの割譲と賠償支払いに応じた。この弱腰の姿勢に一部のパリ市民が蜂起し、1871年3月28日、パリ・コミューンが宣言されたが、ほどなく新政府軍に鎮圧され、5月21日から28日にかけての「血の週間」にコミューン支持者の多くが処刑された。

標題の「さくらんぼの実る頃/Le temps des cerises」はコミューンのメンバーであったジャン=バティスト・クレマン(Jean-Baptiste Clément)が詩を書き、アントワーヌ・ルナール(Antoine Renard)がメロディーをつけた。パリ・コミューンへの容赦のない殺戮を悼み、第三共和政に批判的なパリ市民の間で歌われるようになったという。看護士として、命を賭して傷ついたコミューンのメンバーを手当てし、彼等と共に非業の死を遂げた娘ルイーズに捧げられたものだ。フランス語の歌詞と日本語訳、そしてこの曲の作者クレマンとルイーズとのかかわり合いが、大野修平氏のホームページに詳しく紹介されているので、リンクを付した。

「桜んぼの実る頃」をめぐって

我々の年代だと、この曲はイヴ・モンタンによるものでも、コラ・ヴォケールのものでもなく、映画「紅の豚」の劇中歌として「マダム・ジーナ」役の加藤登紀子によって歌われたものが印象深い。フランス語の発音は外国人にとっては極めて難しく、とりわけ日本人には至難の業である。そのなかで、加藤登紀子によるものはフランス人からも好意的に受け止められているようだ。YouTubeには数多の歌手の"Le temps des cerises"がアップされているので、自分好みの歌い手を見つけ出すのが一番だろう。そして余裕があれば、言葉の意味とその時代背景に目を配るのも良い。

パリ・コミューン(Wikipedia)

紅の豚(Wikipedia)

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